鯛ちゃんのベースボール的放談
 


03.07.20 全球団観客動員数200万人突破への道 @
−アンバランスな観客動員数− 
 

 日米ともにオールスター戦が終わり、後半戦の火蓋が切られた。近鉄バファローズは前半戦を首位ダイエーに1.5ゲーム差の2位で折り返し、首位戦線の真っ只中にいる。後半戦最初のシリーズは、地元大阪ドームにオリックスを迎えての3連戦。西武を交えた三つ巴の優勝争いに残るためにも、一戦一戦が大事な試合となる。しかし、スタンドには空席が目立つ。集客力が期待できる土曜の午後のゲーム、さらに同じ関西を本拠とするオリックス相手にもかかわらず、観衆の発表は1万8千人。ドームにこだまするトランペットの音が寂しく聞こえる。試合も最下位オリックスに1点差で敗れた。
 本拠地でのオールスター戦に沸いたシカゴ・ホワイトソックス。こちらも首位に7ゲーム差をつけられながらも2位で前半を折り返した。後半戦は地元に同地区最下位のデトロイト・タイガースを迎えての3連戦。土曜日の試合には3万2千人余りのファンが、球場に詰めかけ、チームはそれに奮起したのか、逆転勝利を収めた。
 近鉄とホワイトソックスという両チームには共通点がある。共に同じ街にあるもうひとつの球団より人気が劣る、という点だ。大阪は阪神が席巻し、シカゴもカブスが人気で優る。球場も甲子園の威厳に劣る大阪ドームと、カブスの本拠地、リグレーフィールドとは対照的に、ファンに不評のUSセリュラーフィールドだ。
 では、なぜ近鉄戦は1万8千人しか入らず、ホワイトソックス戦には3万2千人のファンが訪れるのか。ここに、単なるオールスター明け最初の週末の1試合とは言えない、日本野球とアメリカ野球との大きな違いを見ることができる。
 近鉄の本拠地は、大阪市である。人口は約260万。大阪市に球団を置くのは近鉄だけである。しかし、大阪と言えば阪神と言われるほど、その影は薄い。一方のシカゴは人口約280万人である。市の北部にカブスが、南部にホワイトソックスが本拠を構える。ファンは市の中心より北にカブスファンが多く、南はホワイトソックスのテリトリーと、完全に区分けされている。この違いが大きい。
 人気の差は、観客動員数の差となって表れる。アメリカでは、それぞれの地元のファンが、週末ともなれば大勢地元チームの応援に足を運ぶ。ましてやチームが好調ならば、その数は膨れ上がる。日本にはその「地元意識」が少ない。そのため、観客動員数はチームの好不調とは別のファクターによって左右されることも多い。即ち自チームの人気と対戦相手の人気である。人気球団とそうでない球団、その球団を持つリーグと持たないリーグとの差は大きい。
 近鉄の観客動員数は、一昨年に優勝した時の159万3千人が過去最高である。それに対し、ホワイトソックスは91年に293万人のファンを集めている。共に人気で劣ると言われる両チームでも、130万人以上の差がある。なお昨年は、近鉄が135万人、優勝争いに加わることがなかったホワイトソックスも167万人と、リーグ平均以下だった。
 
 ここで、タイトルに戻って、年間観客動員数200万人という数字を掘り下げてみよう。
昨年の日本のセ・パ合わせた球団別年間観客動員数の平均は、約191万人である。年間200万人の観客を集めれば、まず合格点と言えよう。シーズン200万人を突破するために必要な1試合平均の観客数は、約2万8千人である。
 日本で最初に200万人を突破したのは1963年の巨人である。昨年200万人以上を集めた球団は、巨人、中日、阪神、ダイエーの4球団。一方いまだに200万人を突破したことのない球団は、広島、横浜、西武、ロッテ、オリックス、近鉄も含めて半分の6球団もある。
 一方、大リーグでの主催試合は年間81試合なので、日本の200万人突破は、226万8千人に相当する。この数字を越えた球団は15球団、それ以下の球団も15球団と全くのイーブンだった。また、226万8千人をまだ超えたことのない球団は、ピッツバーグ・パイレーツ、ただ1球団である。
 アメリカにも人気球団とそうでない球団がある。チームの成績によっても観客数は左右される。しかし、日本ほどの差ではない。そのことは、前記の数字に明らかだ。
 観客動員数の差が大きいということは、当然球団の収入格差も大きいということだ。収入格差に開きがあれば、なかなか戦力が拮抗しない。財政に問題を抱える日本の数球団は、ファンが入らないから収入が増えないという悪循環を繰り返している。これらの球団の自助努力も然る事ながら、今後の球界全体の発展を考えるならば、特定球団だけの利益に吸い付くのではなく、全球団をあげてのボトムアップを計る方向に向かうべきではなかろうか。

 
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