03.06.02 『暴走するファン投票』
日米ともに、オールスター戦のファン投票の第1回中間発表が出た。ファン投票が始まってから1ヶ月余り、今年も「おや?」と思わせるここまでの経過だ。
まず、大リーグのファン投票の中間発表から見てみよう。
ナショナル・リーグは、スーパースターのボンズがトップ、続く2位がソーサ。オールスター戦や前夜に行われるホームラン競争での、彼らの描くアーチを見たいというファンは当然多い。その他のポジションでも、バグウェル、イバン・ロドリゲス
等、名実ともにスーパースターが名を連ねる。
一方、アメリカン・リーグを見ると、こちらは今年大活躍のソリアーノが、大リーグを通じてトップの得票数とは意外だ。さらに意外なのが、一塁でジアンビがトップを走っている事。今年絶不振の彼が、絶好調のデルガドより上にいるのは、妙だ。また、外野手部門では、イチローがトップ、松井は5位に入っている。松井の票数のほとんどは、日本からのものだろう。そして、この日本からの投票が、ソリアーノやジオンビの票に少なからず影響している可能性が高い。2年前、イチローがルーキーの年のファン投票で、当時マリナーズの三塁を守っていたデビッド・ベルが、オールスターに相応しい成績でないにもかかわらず、日本からの大量の票で、あわや選出されそうになり、アメリカ国内で論議を呼んだ。今年の松井に対する投票が、再び物議を醸さないとも限らない。
日本では相変わらず、目を覆いたくなるような中間発表だ。大リーグでは、ファン投票で選出された選手は、先発出場しなくてはならない。もし大リーグ方式でセ・リーグのファン投票が推移すれば、今年のセ・リーグは1番から9番まで、阪神の選手となってしまう。これではオールスターでもなんでもない。毎年のように起こる阪
神選手への大量得票。今年はチームが好調とあって輪がかかっている。ムーアが一塁手部門で3位、カツノリが捕手部門で5位とはお笑いだが。
笑いで済まされない事もある。先発投手部門で川崎が2位につけている。インターネットのあるサイト内での呼びかけが発端らしいが、何を考えて投げられない川崎に投票するのか。プロ野球、そして川崎本人に対する全くの冒涜であり、愚の極みである。
日本の現行のルールでは、一部の心無いファンのためのファン投票と思えてならない。例えば、大リーグ同様、ファン投票で選ばれた選手が先発しなければならない、とか、1チームから7、8人までしか選出できない等、何らかの改善策が必要なのではないだろうか。また、大リーグのオールスターの日本からのファン投票も、コンビニでの投票などを止め、規模を縮小するなどしないと、大リーグを知らないファンによる無作為な投票が、他人の庭を荒らす結果をもたらしかねない。 |